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年次有給休暇の取得を健康づくりにつなげるには?休み方の整え方

年次有給休暇の取得を健康づくりにつなげるには?休み方の整え方

年次有給休暇(年休)の取得を健康づくりにつなげるには、年5日の取得義務を守るだけでなく、部署ごとの取得の偏りを確かめ、計画的付与や時間単位年休などの仕組みで「休みやすい職場」を整えることが大切です。

年次有給休暇とは、一定の期間継続して勤務し、出勤率などの要件を満たした労働者に、法律にもとづいて与えられる賃金の支払われる休暇のことです。正社員だけでなく、パートタイム労働者なども、要件を満たせば付与の対象になります。

この記事でわかること

  • 年休の取得率の現状と、政府の目標
  • 年5日の取得義務の内容
  • 年休の取得を、健康管理の取り組みとして扱う考え方
  • 取得しやすい職場をつくるための仕組みと、進め方の手順

※この記事の制度・統計に関する内容は、厚生労働省の報道発表、「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」、年5日の年次有給休暇の確実な取得に関する同省の解説資料にもとづき2026年10月16日に確認しました。個別の運用は、所轄の労働基準監督署や社会保険労務士等にご確認ください。

年休の取得率の現状

厚生労働省の「令和7(2025)年就労条件総合調査」によると、令和6(2024)年1年間に企業が付与した年休は労働者1人平均18.1日、そのうち取得した日数は12.1日で、取得率は66.9%でした。取得日数・取得率とも、昭和59(1984)年以降で最も高くなっています。

企業規模平均付与日数平均取得日数取得率
1,000人以上18.5日12.8日69.0%
300〜999人18.4日12.3日66.8%
100〜299人17.8日11.7日65.5%
30〜99人17.4日11.3日64.9%
全体18.1日12.1日66.9%

出典:厚生労働省「令和7(2025)年就労条件総合調査の概況」第5表(付与日数は繰越日数を除く)

一方で、「過労死等の防止のための対策に関する大綱」(令和6年8月2日閣議決定)では、令和10年までに年休の取得率を70%とすることが政府の目標とされており、目標にはまだ届いていません。産業別に見ると、取得率が最も高い「電気・ガス・熱供給・水道業」は75.2%、最も低い「宿泊業,飲食サービス業」は50.7%と、業種による差も大きくなっています。

なお、厚生労働省は毎年10月を「年次有給休暇取得促進期間」とし、年休を取得しやすい環境づくりに向けた集中的な広報を行っています。

年5日の取得義務とは

2019年4月から、すべての企業で、年10日以上の年休が付与される労働者(管理監督者を含む)について、年休の日数のうち年5日は、使用者が時季を指定して取得させることが義務付けられています。

項目内容
対象となる労働者年10日以上の年休が付与される労働者(管理監督者を含む)
取得させる日数年休を付与した日(基準日)から1年以内に5日
使用者の時季指定が不要になる場合労働者が自ら請求して取得した日数や、計画的付与で取得した日数が、あわせて5日に達した場合
時間単位年休との関係時間単位で取得した年休は、5日から差し引くことができない
記録労働者ごとに年次有給休暇管理簿を作成し、保存する

出典:厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」をもとに作成

使用者が時季を指定する場合は、労働者の意見を聴かなければならず、できる限り労働者の希望に沿った時季となるよう、聴いた意見を尊重するよう努めることとされています。また、休暇に関する事項は就業規則に必ず記載する事項のため、時季指定を行う場合は、その対象者の範囲と方法を就業規則に記載する必要があります。

年休の取得を、健康管理の取り組みとして扱う

年休は労務管理の制度ですが、健康管理とも深く関わります。厚生労働省の「令和8年度全国労働衛生週間実施要綱」では、過重労働による健康障害を防ぐための事項として、時間外・休日労働の削減、勤務間インターバル制度の導入などとあわせて、年次有給休暇の取得促進が挙げられています。職場の健康管理の点検項目については「全国労働衛生週間とは?職場で見直したい健康管理の総点検項目」で整理しています。

健康経営の取り組みとして年休を扱う場合は、取得の「日数」だけでなく、次のような点もあわせて確かめると、職場の状態が見えやすくなります。

  • 部署・職種ごとの偏り:全社の取得率が高くても、特定の部署や職種だけ取得が少ない場合がある
  • 取得の時期:繁忙期の前後に休みが取れているか、年度末に駆け込みで取得していないか
  • 取得しにくい理由:業務の引き継ぎ先がいない、職場の雰囲気で言い出しにくいなど

全社の平均だけでは見えない変化をとらえる考え方は、「部署ごとの不調のサインとは?全社平均では見えない4つの変化」でも解説しています。

休みやすい職場をつくる仕組み

厚生労働省は、年休を取得しやすい環境づくりの取り組みとして、計画的付与制度と時間単位年休の活用を挙げています。

仕組み内容向いている使い方の例
計画的付与制度付与日数のうち5日を除いた残りの日数について、労使協定を結ぶことで、計画的に取得日を割り振れる制度夏季・年末年始に休みをまとめる、部署ごとに交代で休む、誕生日などの記念日に休む
時間単位年休労使協定を結ぶことで、年5日の範囲内で時間単位の取得ができる制度1日休むほどではないが、数時間だけ休みたいとき

出典:厚生労働省「10月は年次有給休暇取得促進期間です。」(2026年9月30日)、「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」をもとに作成

同じ調査では、年休の計画的付与制度がある企業の割合は40.8%でした。計画的付与で割り振る日数は、「5〜6日」とする企業が最も多くなっています。

年休の取得を進める4つの手順

手順1:部署ごとの取得状況を確かめる

年次有給休暇管理簿などをもとに、部署・職種ごとの取得日数と、5日に届いていない人の数を確かめます。人数の少ない単位では、個人が推測されないよう、ほかの単位とまとめて見るなどの配慮をします。

手順2:取得しにくい理由を聞く

取得が少ない部署について、業務の分担、引き継ぎの仕組み、管理職の声かけなど、取得しにくい理由を確かめます。アンケートや面談で聞く場合は、回答によって不利益が生じないことを伝えておきます。

手順3:仕組みを選ぶ

理由に合わせて、計画的付与、時間単位年休、基準日から一定期間が過ぎた時点での取得状況の確認など、取り入れる仕組みを選びます。制度の導入には労使協定や就業規則の整備が必要なものもあるため、社会保険労務士等にも確認しながら進めます。

手順4:休み明けの状態もあわせて見る

休みを取るだけでなく、休み明けに業務が集中していないか、取得後も体調や仕事のしにくさに変化がないかを、定期的に確かめます。年休の取得状況とあわせて、従業員の状態を同じ項目で継続的に見ておくと、施策の効果を説明しやすくなります。

休み方とあわせて、職場の状態を継続的に見るには

ボディパレットでは、毎月の健康動態モニタリングで部署・組織ごとの状態の推移を確認し、変化のあった組織に合わせて運動や生活習慣のプログラムを組み合わせる支援を行っています。年休の取得状況とあわせて部署ごとの状態を見ておくと、休みが取りにくい職場の変化に早く気づくきっかけになります。

休みやすい職場づくりと健康施策を相談したい方へ
部署ごとの状態の見方や、休み方とあわせて取り組む健康施策について、ボディパレットの担当者がご相談をお受けします。

よくある質問(Q&A)

Q. パートタイム労働者も、年5日の取得義務の対象になりますか?

A. 年10日以上の年休が付与される労働者であれば、パートタイム労働者も対象です。所定労働日数が少ない労働者は、勤続年数などによって付与日数が10日未満の場合があり、その場合は年5日の取得義務の対象になりません。

Q. 半日単位で取得した年休は、5日に数えられますか?

A. 厚生労働省の解説資料では、労働者が自ら半日単位の年休を取得した場合、取得1回につき0.5日として5日から差し引くことができるとされています。時間単位で取得した年休は、5日から差し引くことはできません。

Q. 計画的付与制度を入れれば、年5日の義務は満たせますか?

A. 計画的付与で取得した日数は、5日に数えられます。計画的付与で5日以上を割り振っている場合、使用者がさらに時季を指定する必要はありません。導入には労使協定の締結が必要です。

Q. 年休の取得率が上がれば、健康経営の成果になりますか?

A. 取得率は、休みやすい職場かどうかを確かめる指標の一つです。健康面の変化を確かめるには、取得率とあわせて、部署ごとの取得の偏りや、従業員の体調・仕事のしにくさなどを継続的に見ることが大切です。

参考資料

この記事の著者・監修

執筆:ボディパレット編集部(健康経営支援の企画・運用に携わるスタッフが執筆)
監修:髙瀬 雅弘(フラクタルワークアウト株式会社代表取締役 / ボディマネジメントパートナー)
最終更新日:2026年10月16日

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