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部署ごとの不調のサインとは?全社平均では見えない4つの変化

部署ごとの不調のサインとは?全社平均では見えない4つの変化

部署ごとの不調のサインは全社平均には表れにくいため、部署単位で「悪化傾向・急変・ばらつき・固定化」の4つの変化を確かめ、当てはまる部署から順に手を付けるのが近道です。

健康診断やエンゲージメントサーベイを実施していても、結果を全社の集計だけで見ていると、負荷が集中している部署に気づくのが遅れることがあります。この記事は、個人の様子ではなく部署の変化に注目して、人事・健康経営の担当者が「どの部署から手を付けるか」を決めるために、見ておきたい4つの変化と、確認の進め方を整理します。個人の様子から不調の兆候に気づく方法は、プレゼンティーイズムの早期発見の記事で解説しています。

部署ごとの不調のサインとは、全社の平均値には表れにくい、特定の部署やチームで起きている状態の変化のことです。

この記事でわかること

  • 全社平均だけでは部署ごとの変化が見えにくい理由
  • 部署ごとの不調を示す4つのサイン
  • 手を付ける部署と順番を決める4つの手順
  • 部署単位で見るときに、個人が特定されないための注意点

※この記事の統計は、厚生労働省の公表資料にもとづき2026年9月27日に確認しました。本記事は組織の状態を点検する考え方を説明するもので、個人の健康状態を診断するものではありません。

全社平均だけでは見えにくいもの

健康診断は年1回、サーベイも年1〜2回の実施が多く、結果は全社の集計で報告されることが一般的です。全社の数値は経営層への報告には使いやすい一方で、次のような状態は読み取りにくくなります。

  • 時期によって変わる状態:繁忙期の負荷や疲れの蓄積は、調査の時期によって表れ方が変わります。
  • 欠勤や離職に至る前の変化:休業や退職として表に出る前の段階の変化は、年1回の結果ではつかみにくいものです。
  • 特定の部署への負荷の集中:一つの部署の悪化は、ほかの部署の結果と平均されて目立たなくなります。

その結果、「サーベイの数値は横ばいなのに、現場の疲れた様子が変わらない」「施策を増やしても、どこから手を付けるかが決まらない」といった状況が起こりがちです。

規模の大きい事業所ほど、休業・退職者が出ている割合は高い

厚生労働省の「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)」によると、過去1年間(2024年11月1日〜2025年10月31日)に、メンタルヘルス不調で連続1か月以上休業した労働者、または退職した労働者がいた事業所の割合は13.5%でした(前年の調査では12.8%)。事業所の規模別に見ると、割合は次のとおりです。

事業所の規模割合
1,000人以上92.9%
500〜999人89.7%
300〜499人82.4%
100〜299人54.6%
50〜99人26.8%

出典:厚生労働省「令和7年 労働安全衛生調査(実態調査)の概況」

この数値は「事業所」単位の集計で、会社全体の割合ではありません。また、休業や退職は一人ひとりの事情によって起きるものです。そのうえで、人数の多い組織ほど、どこかの部署で不調が生じている可能性を前提に、部署単位の変化を見ておく意味があるといえます。

部署ごとの不調を示す4つのサイン

ボディパレットが組織単位で健康状態を確認する際に着目しているのは、次の4つの変化です。

1.部門別の悪化傾向

特定の部門だけで、状態が少しずつ悪くなっていく変化です。全社の数値が横ばいでも、ある部門だけが下がり続けていることがあります。1回の結果ではなく、同じ部門の推移で見ることで気づけます。

2.局所的な急変

特定の部署やチームで、短い期間に状態が大きく変わる変化です。組織変更、人の異動、繁忙期、大きな案件の開始などと重なって起きることがあります。変化が起きた時期と、その頃の出来事を照らし合わせることが手がかりになります。

3.ばらつきの拡大

部門の平均は変わらなくても、部門の中で良い人と悪い人の差が広がっていく変化です。平均だけを見ていると気づけないため、分布や差の大きさにも目を向ける必要があります。ただし、人数の少ない単位で差を見ると個人が推測されるおそれがあるため、集計の単位には注意します。

4.悪化の固定化

悪い状態が、改善しないまま続いている変化です。一時的な悪化は繁忙期が過ぎれば戻ることもありますが、数か月にわたって戻らない場合は、業務の配分や体制など、構造的な要因がないか確かめる必要があります。

手を付ける部署と順番を決める4つの手順

4つのサインは、見つけることよりも、次の行動を決めることに使うのが大切です。次の手順で進めると、限られた人員でも優先順位をつけやすくなります。

手順1:手元にあるデータを部署単位で並べる

新しい調査を始める前に、健康診断の結果(集計値)、サーベイの結果、勤怠や残業の傾向など、既にあるデータを部署単位で並べます。使えるデータの洗い出し方や、欠勤の原因を詳しく分析する進め方は、アブセンティーズムの原因分析とは?で解説しています。

手順2:4つのサインに当てはまる部署を書き出す

部署ごとに、4つのサインのどれに当てはまりそうか、その根拠となるデータは何かを書き出します。この段階では、「当てはまるかもしれない」という仮の判断で構いません。

手順3:優先して確認する部署を決め、管理職と背景を確かめる

当てはまるサインが多い部署や、急変が起きている部署から、確認する順番を決めます。そのうえで、数値の背景を部署の管理職と一緒に確かめます。

手順4:同じ項目を一定の間隔で確かめ続ける

施策を始めたら、同じ項目を月1回など一定の間隔で確認し、当てはまっていたサインがおさまったかを追います。管理職と背景を確かめるときの進め方や、データを部署ごとに並べて施策につなげる手順は、健康データの見える化とは?で解説しています。

部署単位で見るときの注意点

  • 個人が特定されない単位で集計する:人数の少ない部署は、ほかの部署とまとめて集計します。ストレスチェックの集団分析についても、特定の個人を識別できない方法で行うことが労働安全衛生規則に明記され、2027年4月1日から施行されます。
  • 個人の健康状態への対応は専門職と連携する:部署単位の点検は、組織の状態を見るためのものです。個別の従業員の健康状態に関わる対応は、産業医・保健師等の産業保健スタッフや医療機関と連携して進めます。
  • 数値だけで原因を決めつけない:サインは「確認すべき部署」を示す手がかりであり、原因を示すものではありません。原因を確かめるときは、手順3のように現場の管理職と背景を確かめます。

部署ごとの状態を、月ごとに確かめるには

ボディパレットでは、毎月の健康動態モニタリングで部署・組織ごとの状態の推移を確認し、変化のあった組織に合わせて運動や生活習慣のプログラムを組み合わせる支援を行っています。

部署ごとの状態の整理について相談したい方へ
どの部署から、どのデータで確認するかの整理について、ボディパレットの担当者がご相談をお受けします。

よくある質問(Q&A)

Q. 部署ごとの不調のサインは、どのデータで確認できますか?

A. まずは手元にあるデータ(健康診断の集計値、サーベイの結果、勤怠や残業の傾向、休業・退職の件数など)を部署単位で並べることから始められます。そのうえで、4つのサインのどれに当てはまるかを部署ごとに書き出します。

Q. どのくらいの頻度で確認すればよいですか?

A. 年1回の結果だけでは時期による変化や施策の前後の違いをつかみにくいため、月1回など一定の間隔で同じ項目を確認する方法があります。自社の人員で続けられる頻度を決めることが大切です。

Q. 人数の少ない部署はどう扱えばよいですか?

A. 個人が推測されるおそれがあるため、ほかの部署とまとめて集計します。集計の最小単位は、社内のルールとして事前に決めておくことをおすすめします。

Q. サインに当てはまった部署には、何をすればよいですか?

A. どのサインに当てはまったかで、最初に確かめることが変わります。急変なら変化が起きた時期の出来事(組織変更・異動・繁忙期など)を、悪化の固定化なら業務の配分や体制といった構造的な要因を、部署の管理職と一緒に確かめます。個別の従業員の健康に関わる対応は、産業保健スタッフと連携してください。

参考資料

この記事の著者・監修

執筆:ボディパレット編集部(健康経営支援の企画・運用に携わるスタッフが執筆)
監修:髙瀬 雅弘(フラクタルワークアウト株式会社代表取締役 / ボディマネジメントパートナー)
最終更新日:2026年10月3日

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