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プレゼンティーイズムの測り方|5つの測定方法の違いと選び方

プレゼンティーイズムの測り方|5つの測定方法の違いと選び方

プレゼンティーイズムの測り方は、比べたい単位、測る頻度、回答の負担、開示に使うかどうかで選びます。代表的な5つの測定方法の違いを知り、数年続けられる方法を選ぶことが大切です。

プレゼンティーイズムとは、出勤はしているものの、健康上の問題によって仕事の能率や成果が本来より下がっている状態のことです。

この記事でわかること

  • 健康経営の中で、プレゼンティーイズムを測る意味(ホワイト500の開示を含む)
  • 5つの測定方法(WHO-HPQ・SPQ・WLQ・WFun・QQmethod)の設問数と測り方の違い
  • 自社に合う測定方法を選ぶための5つの観点
  • 測るときに気をつけたいこと

※この記事の制度・指標に関する内容は、経済産業省・健康経営優良法人認定事務局の公表資料と、各測定方法の開発元の公表情報にもとづき2026年9月27日に確認しました。利用条件は変わることがあるため、導入の前に開発元・提供元にご確認ください。本記事は個人の健康状態を評価・診断するものではありません。

測る前に押さえておくこと

プレゼンティーイズムは、欠勤(アブセンティーイズム)と違って勤怠の記録には表れないため、測るには従業員への調査が必要です。言葉の意味や、生産性の損失の考え方、改善策の全体像は「プレゼンティーズムとは?生産性損失の実態と企業が取るべき7つの改善策」で解説しています。この記事では「何で、どう測るか」に絞って整理します。

健康経営の中で、プレゼンティーイズムを測る意味

施策の結果を確かめる「最終的な目標指標」の一つ

健康経営優良法人認定事務局の「健康経営ガイドブック」(2025年3月版)では、施策から目標までのつながりを、「施策の取り組み状況に関する指標」「従業員の意識変容・行動変容に関する指標」「健康関連の最終的な目標指標」の3段階で整理しています。プレゼンティーイズムは、アブセンティーイズムやワーク・エンゲイジメントと並んで、3段階目の「最終的な目標指標」の例に挙げられています。

健康経営優良法人2027(大規模法人部門)の認定要件では、「健康経営の実施についての効果検証」が必須の項目です。プレゼンティーイズムは、施策の結果を確かめる指標の候補の一つになります。

ホワイト500では、指標と測定方法の開示が必須

健康経営優良法人2027の大規模法人部門で上位の法人に与えられる「ホワイト500」と、「健康経営銘柄2027」では、「従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示」が必須とされています。健康経営度調査の設問では、アブセンティーイズム、プレゼンティーイズム、ワーク・エンゲイジメントのいずれかについて、直近の実績値と具体的な測定基準を開示することが求められています。

同じ設問の補足では、「ストレスチェックの結果」をプレゼンティーイズムの開示として示すことは認められない例に挙げられています。ホワイト500を目指す場合は、プレゼンティーイズムを測るための方法を別に決めておく必要があります。

5つの測定方法の比較

健康経営ガイドブックでは、企業が実施しやすい方法として、次の5つの測定方法が示されています。

方法開発元設問の数と測り方
WHO-HPQハーバード大学医学部3つの設問で評価。結果は「絶対的プレゼンティーイズム」と「相対的プレゼンティーイズム」の2通りで示される
SPQ(東大1項目版)東京大学1問。病気やけががないときの仕事の出来を100%として、過去4週間の自分の仕事を1〜100%で評価。100%から回答値を引いた値をプレゼンティーイズムとする
WLQタフツ大学医学部25問。「時間管理」「身体活動」「集中力・対人関係」「仕事の結果」の4つの尺度で、体調による仕事への支障の程度を5段階などで回答
WFun産業医科大学7問。健康問題による仕事の機能の低下(労働機能障害)の程度を、合計得点(7〜35点)で表す
QQmethod海外の研究者健康上の症状の有無を尋ね、ある人には、最も影響している健康問題、過去3か月で症状があった日数、症状がないときと比べた仕事の量と質(各10段階)の4問

出典:健康経営優良法人認定事務局「健康経営ガイドブック」(2025年3月版)の図表15、各方法の開発元の公表情報をもとに作成

健康経営ガイドブックでは、これらを大きく2つに分けています。WHO-HPQなどの「仕事の損失を確かめる方法」と、WFunなどの「仕事の機能の低下を確かめる方法」です。前者は損失の割合として示せるため、施策の費用と比べる検討に使われることがあります。後者は、どの程度仕事に支障が出ているかを段階で捉えることに向いています。

利用料や使用の許諾の要否は、方法によって異なり、変わることもあります。導入の前に、それぞれの開発元・提供元の案内を確かめておきます。

また、2024年度の健康経営度調査では、プレゼンティーイズムを測っている法人(2,119法人)のうち、SPQを使っている割合が53%、WHO-HPQが15%、WFunが6%、WLQが4%、QQmethodが3%、その他が18%でした(同ガイドブックの図表17による)。なお、健康経営優良法人2027の申請に使う健康経営度調査では、ほかにWPAIなども選択肢に挙げられています。同調査では、選択肢の中には使うときに開発者の許可や使用料が必要なものがあると注記されています。

自社に合う測定方法を選ぶための5つの観点

どの方法にも長所と限界があり、「これが正解」という一つの方法はありません。次の5つの観点で、自社の目的に合うものを選びます。

観点1:何を比べたいか(全社・部署・施策の前後)

全社の状態を年ごとに確かめたいのか、部署ごとの差を見たいのか、特定の施策の前後を比べたいのかで、向く方法が変わります。部署ごとに比べる場合は、人数の少ない単位で個人が推測されないよう、集計の単位もあわせて決めます。

観点2:どのくらいの頻度で測るか

年1回の測定だけでは、施策の前後の変化をつかみにくいことがあります。頻度を上げる場合は、設問の少ない方法のほうが続けやすくなります。一方で、設問が少ないほど、低下の理由までは分かりにくくなります。

観点3:回答の負担をどこまでかけられるか

1問で済む方法もあれば、25問に答える方法もあります。ストレスチェックなどほかの調査と同じ時期に行う場合は、合計の設問数と回答時間を見積もっておくと、回答率の低下を防ぎやすくなります。

観点4:理由まで知りたいか

どの場面で仕事に支障が出ているかまで知りたい場合は、尺度が分かれている方法や、影響している健康問題を尋ねる方法が候補になります。まず全体の状態をつかみたい場合は、簡単な方法から始める進め方もあります。

観点5:経年比較・他社比較・開示に使えるか

一度選んだ方法を変えると、前年との比較がしにくくなります。そのため、数年続けられる方法を選ぶことが大切です。他社と比べたい場合や、社外に開示する場合は、利用している企業の多い方法や、参考値が公表されている方法かどうかも確かめます。あわせて、利用料や許諾の手続きが続けられるものかも確認します。

測るときに気をつけたいこと

  • 自己評価であることを前提に読む:どの方法も、本人が自分の状態を振り返って答えるものです。答え方には人による傾向があるため、1回の値より、同じ方法で測った推移や部署ごとの差を見ます。
  • 個人の評価や人事上の判断に使わない:結果を個人の評価に使うと、率直な回答が得られなくなります。目的は組織の状態を知ることであり、個人の成績を測ることではないと、実施前に従業員に伝えます。個別の健康状態への対応は、産業医・保健師等と連携します。
  • 同じ方法・同じ時期で続ける:方法や設問、実施の時期が変わると、前年と比べにくくなります。方法を変える場合は、変えた年と理由を記録しておきます。
  • 数値を良くすることを目的にしない:健康経営ガイドブックでは、数値を改善するために従業員が傷病を隠したり、必要な治療を受けなかったりすることが起きてはならないとしています。本当の意味での改善は、不調の予防と、治療と仕事を両立できる環境づくりにあるとされています。

年1回の測定の間の変化を確かめるには

測定は年1回や半年に1回になることが多く、その間の変化は見えにくくなります。職場で日々の兆候に気づく方法は「プレゼンティーイズムの早期発見|兆候チェックと可視化ツール」で紹介しています。

ボディパレットでは、毎月の健康動態モニタリングで部署・組織ごとの状態の推移を確認し、変化のあった組織に合わせて運動や生活習慣のプログラムを組み合わせる支援を行っています。プレゼンティーイズムの測定の代わりになるものではありませんが、年1回の結果の間を埋める材料として使えます。

プレゼンティーイズムを何で、どの単位で測るか整理したい方へ
測定の目的や手元のデータをもとに、測定方法の選び方と結果の使い方について、ボディパレットの担当者がご相談をお受けします。

よくある質問(Q&A)

Q. 健康経営優良法人の認定を受けるには、プレゼンティーイズムの測定が必要ですか?

A. 健康経営優良法人2027(大規模法人部門)の認定要件では、ホワイト500と健康経営銘柄について「従業員パフォーマンス指標及び測定方法の開示」が必須とされています(それ以外の大規模法人部門の認定では、必須の項目にはなっていません)。ホワイト500などでは、アブセンティーイズム、プレゼンティーイズム、ワーク・エンゲイジメントのいずれかの実績値と測定基準の開示が求められます。最新の要件は、健康経営優良法人認定事務局の資料でご確認ください。

Q. ストレスチェックの結果を、プレゼンティーイズムの指標として使えますか?

A. 健康経営度調査の補足説明では、ストレスチェックの結果は、プレゼンティーイズムの開示として認められない例に挙げられています。プレゼンティーイズムは、それを測るための方法で別に把握することをおすすめします。

Q. 1問だけの方法でも十分ですか?

A. 全体の状態を続けて確かめる目的であれば、設問の少ない方法は回答の負担が小さく、頻度を上げやすい利点があります。一方で、どの場面で支障が出ているかといった理由までは分かりにくくなります。まず簡単な方法で傾向をつかみ、必要に応じて理由を尋ねる設問を足す進め方もあります。

Q. 測定方法を途中で変えてもよいですか?

A. 変えることはできますが、前年との比較がしにくくなります。変える場合は、変えた年と理由を記録し、可能であれば一度は新旧の方法を並べて測っておくと、推移を読み取りやすくなります。

参考資料

この記事の著者・監修

執筆:ボディパレット編集部(健康経営支援の企画・運用に携わるスタッフが執筆)
監修:髙瀬 雅弘(フラクタルワークアウト株式会社代表取締役 / ボディマネジメントパートナー)
最終更新日:2026年10月3日

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