健康経営優良法人の申請を終えたら、認定発表を待つ間に、施策の続け方・データ・成果の説明・申請の運用の4つの観点で1年間を点検し、次年度の計画に落とし込みます。
申請を終えると結果を待つだけの期間になりがちですが、次の申請までの1年は、施策の記録や効果の確認を積み上げる期間でもあります。この記事では、人事・健康経営の担当者が「次年度も同じ体制で進められるか」を判断できるよう、申請後の予定と、振り返りの4つの観点を整理します。
健康経営優良法人認定制度とは、特に優良な健康経営を実践している大企業や中小企業等の法人を「見える化」することで、従業員や求職者、関係企業や金融機関などから社会的な評価を受けられる環境を整えることを目的に、日本健康会議が認定する制度です。大規模法人部門と中小規模法人部門に分かれ、年度ごとに申請の受付と認定の発表が行われます。
この記事でわかること
- 健康経営優良法人2027の申請後から認定発表までの予定
- 申請後の時期に1年間の運用を振り返る理由
- 次年度に向けて点検したい4つの観点
- 振り返りの結果を次年度の計画につなげる手順
※この記事の制度・日程に関する内容は、経済産業省と健康経営優良法人認定事務局のポータルサイト「ACTION!健康経営」の公表情報にもとづき2026年9月27日に確認しました。最新の要件と日程は、両サイトでご確認ください。本記事は認定の可否を判断するものではありません。
健康経営優良法人2027の申請後の予定
健康経営優良法人2027の申請受付は、大規模法人部門が2026年10月9日(金)17時、中小規模法人部門が2026年10月16日(金)17時に締め切られました。その後の主な予定は次のとおりです。
| 時期 | 予定 |
|---|---|
| 2026年11月上旬頃 | 認定申請料の請求書の送付 |
| 2027年2月下旬頃 | 内定 |
| 2027年3月 | 健康経営優良法人2027の発表 |
| 2027年4月中旬頃 | 評価結果の送付(中小規模法人部門) |
出典:ACTION!健康経営「大規模法人部門の申請」「中小規模法人部門の申請」(2026年9月27日確認)
大規模法人部門では、認定後に取り組み内容に関するフィードバックが提供されます(中小規模法人部門でフィードバックが提供されるのは、ブライト500に申請した法人です)。評価結果やフィードバックが届いた時点で、自社の振り返りと照らし合わせられるよう、申請直後の記憶が新しいうちに振り返りを始めておくと効率的です。
なお、前回の「健康経営優良法人2026」では、2026年3月9日に、大規模法人部門で3,765法人、中小規模法人部門で23,085法人が認定されました。認定を受ける法人が増えるなかで、毎年の申請を担当者の頑張りだけに頼らず、年間の運用として回せる体制を整えておくことが大切です。
申請後の時期に振り返る理由
健康経営の取り組みは、施策の企画・実施、記録の保存、効果の確認、経営層への報告、翌年度の申請準備と、1年を通じて続きます。申請の準備だけを直前にまとめて行うと、次のような状況が起こりがちです。
- 申請の直前に、施策の実施記録や参加者数を探し直している
- 施策が単発の催しで終わり、参加が続かない
- 全社の平均しか見ておらず、部署ごとの違いを説明できない
- 担当者が替わると、前年のやり方が引き継がれない
申請直後は、申請書の作成で集めた情報が手元にそろっている時期です。どの情報がすぐに見つかり、どの情報を探すのに時間がかかったかを記録しておくと、次年度に改善すべき点がはっきりします。
また、健康経営優良法人2027(大規模法人部門)の認定要件では、「健康経営の実施についての効果検証」が「評価・改善」の項目として必須とされています。施策を実施するだけでなく、その結果を確かめて次につなげる流れが、制度の上でも求められています。
次年度に向けて点検したい4つの観点
ボディパレットでは、1年間の運用を振り返る際に、次の4つの観点で点検することをおすすめしています。
1.施策が続く仕組み
施策が一度きりの催しで終わらず、年間を通じて続いているかを確かめます。
- 参加の案内の時期と方法が決まっているか
- 参加しやすい時間帯や形式(対面・オンライン)を選べるか
- 運用のルールが、特定の担当者の頭の中だけにないか
2.比べられるデータ
施策の前後や部署ごとの違いを比べられる形で、データを集めているかを確かめます。
- 同じ項目を、決まった間隔で確認しているか
- 部署や拠点など、改善の担当を置ける単位で集計できるか
- 人数の少ない単位で、個人が推測されないよう配慮しているか
3.施策と成果の説明
実施した施策と、その結果として確認した変化を、経営層に説明できる形でつなげているかを確かめます。
- 施策ごとに、参加率などの取り組みの状況を記録しているか
- 参加後の意識や行動の変化を、何らかの方法で確かめているか
- 結果が思わしくなかった施策について、理由を確かめているか
4.年次の申請運用
申請の準備を、毎年の業務として予定に組み込めているかを確かめます。
- 申請の要件、実施する施策、残す記録の対応関係を一覧にしているか
- 記録の保存場所と担当者が決まっているか
- 申請までの年間の予定を、関係部署と共有しているか
振り返りの結果を次年度の計画につなげる4つの手順
手順1:申請で時間がかかった箇所を書き出す
申請書の作成で、情報を探すのに時間がかかった項目、根拠となる記録が不十分だった項目を書き出します。これが次年度に記録の残し方を見直す対象になります。
手順2:4つの観点ごとに、できている点と足りない点を分ける
4つの観点ごとに、現状を「できている」「一部できている」「できていない」に分けて書き出します。すべてを一度に直そうとせず、次年度に優先して取り組む点を1〜2つに絞ります。
手順3:評価結果が届いたら、自社の振り返りと照らし合わせる
評価結果やフィードバックが届いたら、自社の振り返りで挙げた課題と重なる点、新たに分かった点を確かめます。重なる点は、優先度が高い課題と考えられます。
手順4:次年度の年間予定に落とし込む
優先する課題について、施策、確認する指標、確認の時期、担当者を年間の予定に書き込みます。申請の時期から逆算して、記録をまとめる時期もあらかじめ決めておきます。
1年を通じて、比べられる記録を残すには
ボディパレットでは、毎月の健康動態モニタリングで部署・組織ごとの状態の推移を確認し、変化のあった組織に合わせて運動や生活習慣のプログラムを組み合わせる支援を行っています。施策の前後で同じ項目を確かめる記録は、翌年の申請や経営層への報告の材料としても使えます。
次年度の健康経営の進め方を相談したい方へ
申請を終えた今の状況をもとに、次年度に優先して取り組む点の整理について、ボディパレットの担当者がご相談をお受けします。
よくある質問(Q&A)
Q. 健康経営優良法人2027の認定はいつ発表されますか?
A. 2027年3月に発表の予定です。内定は2027年2月下旬頃とされています(2026年9月27日確認)。
Q. 申請が終わったあと、すぐにやるべきことは何ですか?
A. 申請書の作成で情報を探すのに時間がかかった項目を書き出しておくことをおすすめします。記憶が新しいうちに記録しておくと、次年度に記録の残し方を見直す際の材料になります。
Q. 振り返りは、評価結果が届いてからでは遅いですか?
A. 評価結果が届くのは翌年の春です。申請直後に自社で振り返りを始めておき、評価結果が届いたら照らし合わせる進め方にすると、次年度の準備に使える期間を長く取れます。
Q. 振り返りをすれば、次年度の認定を受けやすくなりますか?
A. 認定の可否は制度の審査で決まるため、振り返りによって認定が保証されるものではありません。振り返りは、自社の運用体制を確かめ、次年度の取り組みを計画するためのものです。
参考資料
- 経済産業省「健康経営優良法人認定制度」https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenkoukeiei_yuryouhouzin.html (2026年9月27日確認)
- 経済産業省「『健康経営銘柄2027』・『健康経営優良法人2027』の申請受付を開始しました」(2026年8月17日)https://www.meti.go.jp/press/2026/08/20260817001.html (2026年9月27日確認)
- ACTION!健康経営「大規模法人部門の申請」https://kenko-keiei.jp/application/ (2026年9月27日確認)
- ACTION!健康経営「中小規模法人部門の申請」https://kenko-keiei.jp/application/sme/ (2026年9月27日確認)
- ACTION!健康経営「健康経営優良法人2027(大規模法人部門)認定要件」https://kenko-keiei.jp/wp-content/themes/kenko_keiei_cms/files/2027_dai_ninteiyoken.pdf (2026年9月27日確認)
この記事の著者・監修
執筆:ボディパレット編集部(健康経営支援の企画・運用に携わるスタッフが執筆)
監修:髙瀬 雅弘(フラクタルワークアウト株式会社代表取締役 / ボディマネジメントパートナー)
最終更新日:2026年10月3日

