福利厚生として筋トレ(筋力トレーニング)を取り入れることは、社員の運動不足解消に有効な手段です。厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に筋トレを週2〜3日実施することが初めて公式に推奨されました。筋トレは短時間で取り組めて特別な施設がなくても始められるため、企業の福利厚生として導入しやすい運動の一つです。
福利厚生としての筋トレとは、企業が従業員の健康増進を目的として、自重トレーニングやウエイトトレーニングなどの筋力トレーニングプログラムを、講師派遣・ジム法人契約・オンラインプログラムなどの形で提供する施策のことです。
この記事でわかること
- 筋トレが社員の運動不足解消に有効な3つの理由(厚労省ガイドの根拠を含む)
- 企業が福利厚生として筋トレを導入する3つの方法と、それぞれの特徴
- 導入時に押さえるべき3つの注意点(安全管理・継続率・効果測定)
- 筋トレを含む運動プログラムを福利厚生として運用するポイント
なぜ筋トレが福利厚生に向いている?3つの効果と科学的根拠
筋トレは有酸素運動と並んで、健康維持に不可欠な運動として国の指針でも推奨されています。福利厚生に取り入れるメリットは、短時間で効果が出やすく、運動未経験者でも自重トレーニングから始められる点にあります。
効果1:基礎代謝が向上し、日常の活動量が増える
筋トレで筋肉量が増えると基礎代謝が向上し、座っているだけでもエネルギー消費量が増加します。デスクワーク中心のオフィスワーカーにとって、基礎代謝の低下は冷え性、むくみ、疲労感、肩こりなどの慢性的な不調の原因になりやすく、筋トレによるベースアップは日常生活全体の活動量を底上げする効果が期待できます。基礎代謝が上がることで肥満予防にもつながり、生活習慣病のリスク低減にも寄与します。
効果2:筋力・身体機能が改善し、腰痛や肩こりなどの不調が軽減される
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、筋トレの実施が生活機能の維持・向上だけでなく、疾患の発症予防や死亡リスクの軽減にもつながると報告されています。同ガイドが引用するシステマティックレビューでは、筋トレを実施している人は実施していない人と比べて、総死亡リスクや心血管疾患・がん・糖尿病の発症リスクが10〜17%低いことが示されています。
特にデスクワーカーに多い腰痛や肩こりは、姿勢を支える筋力の低下が一因とされており、体幹や肩甲骨周りの筋力を強化するトレーニングで改善が見込めます。筋トレは「無酸素運動」の一種で、短時間で集中的に取り組めるため、忙しいビジネスパーソンでもスキマ時間に実施しやすい運動です。
効果3:メンタルヘルスの維持・改善にも寄与する
筋トレはストレスホルモン(コルチゾール)の分泌を抑制し、気分を向上させるホルモン(エンドルフィン等)の分泌を促進する効果があるとされています。運動習慣がメンタルヘルスの改善につながることは複数の研究で報告されており、アブセンティーズム(欠勤)やプレゼンティーズム(出勤していても生産性が低下している状態)の予防にも間接的に寄与します。
ボディパレットのオンラインフィットネスプログラムでは、筋トレ要素を含むピラティスやボディメイク系レッスンを提供しており、毎月の『健康動画モニタリング』(サーベイ)で従業員の体調変化を部署単位で可視化できます。筋トレ導入の効果を数値で追跡できるため、健康経営の成果報告にも活用可能です。
企業が福利厚生として筋トレを導入する3つの方法
福利厚生として筋トレを取り入れる方法は、大きく「講師派遣(出張型)」「ジム法人契約」「オンラインプログラム」の3つに分かれます。自社の業務形態・予算・従業員の運動経験に応じて選択してください。
方法1:講師を招いて社内でグループトレーニングを実施する
プロのインストラクターやトレーナーをオフィスに招き、会議室や休憩スペースで筋トレのグループレッスンを行う方法です。自重トレーニング(スクワット・腕立て伏せ・プランクなど)であれば、広いスペースや大型機材は不要です。講師が正しいフォームを直接指導するため、筋トレ初心者が多い職場でもケガのリスクを抑えて始められます。
デメリットとしては、インストラクターの派遣費用が1回あたり40,000〜55,000円程度と、オンラインと比べてコストが高い点があります。月1〜2回のイベントとして位置づけ、日常はオンラインプログラムと併用するハイブリッド運用が費用対効果を高めます。ボディパレットではオンサイトセッション(50,000円〜/50分)を提供しており、出張型とオンラインプログラムを一体的に運用できます。
方法2:フィットネスジムと法人契約を結び、ジムの筋トレ設備を活用する
フィットネスジムと法人契約を結ぶことで、従業員が通常よりも割引された料金でジムを利用できるようになります。筋トレマシンやフリーウエイトが充実している環境で本格的なトレーニングができるのが最大のメリットです。また、ジムにはトレーナーが常駐しているケースが多く、個人に合った指導を受けられます。
一方で、ジムに通う時間を確保できない従業員や、そもそもジムに行くこと自体にハードルを感じる層には利用されにくい傾向があります。通勤経路上に店舗がある場合や、外出の多い営業職には有効ですが、全従業員に均等にアプローチするには他の方法との併用が必要です。
方法3:オンラインで筋トレプログラムを提供する
リモートワークが多い企業や、全国に拠点が分散している企業では、オンラインで筋トレプログラムを提供する方法が現実的です。自宅やオフィスからスマートフォンやPCで参加できるため、場所を選ばず取り組めます。仕事の合間や始業前・終業後など、自分のタイミングで参加できるのも大きなメリットです。
リアルタイムのライブ配信型であればインストラクターとのやり取りがあるため、録画型よりもモチベーションを維持しやすく、継続率が高い傾向にあります。ボディパレットでは、ピラティス・ヨガに加えて筋トレ要素を含むボディメイク系のライブレッスンを月額550円(税込)/1名〜で提供しており、継続率98.1%(自社調べ)という実績があります。
福利厚生で筋トレを導入する際の3つの注意点
筋トレは正しいフォームで行えば安全性の高い運動ですが、福利厚生として企業が導入する際にはいくつかの注意点があります。以下の3点を事前に確認し、従業員が安心して参加できる環境を整えてください。
注意点1:安全管理──正しいフォーム指導と個人差への配慮
筋トレは誤ったフォームで行うとケガのリスクがあります。特に運動経験のない従業員がいきなり高負荷のトレーニングに取り組むのは危険です。厚労省のガイドでも「個人差(健康状態、体力レベル、身体機能等)を踏まえ、強度や量を調整し、可能なものから取り組むことが重要」と明記されています。プロのインストラクターによる指導、または動画プログラムでのフォーム解説を必ず提供してください。一律のノルマを設けず、個人に合った目標設定ができる仕組みが重要です。
注意点2:継続率──「やりっぱなし」にしない仕組みづくり
福利厚生として筋トレを導入しても、参加が任意の場合は利用率が低迷しやすいのが実情です。継続率を上げるためのポイントとしては、就業時間内に参加できる時間帯の設定、部署対抗チャレンジなどのゲーミフィケーション要素、月次の参加率レポートの共有などが有効です。ボディパレットでは毎月のモニタリングレポートで参加率と健康状態の変化を可視化できるため、管理部門が「使われている施策」かどうかを定量的に把握できます。
注意点3:効果測定──健康経営の成果として報告できるデータを残す
筋トレを含む運動プログラムを導入する目的が「健康経営の推進」であるなら、導入前後での変化を数値で示せるデータが必要です。従業員アンケート(主観的な体調変化)、勤怠データ(欠勤日数の推移)、ストレスチェック結果との突合などを四半期ごとに実施し、経営層への報告資料として活用してください。健康経営優良法人の認定申請にも、こうした定量データが評価材料になります。
よくある質問(Q&A)
Q. 筋トレ未経験の従業員が多くても福利厚生として導入できる?
A. 導入できます。自重トレーニング(スクワット・プランクなど)は器具が不要で初心者でも始めやすく、厚労省のガイドでも「個人差を踏まえ、可能なものから取り組む」ことが推奨されています。プロのインストラクターによるフォーム指導があれば、運動未経験者でも安全に取り組めます。オンラインプログラムであれば自分のペースで進められるため、初心者のハードルをさらに下げられます。
Q. 筋トレは週何回やれば効果がある?
A. 厚生労働省の「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」では、成人に筋トレを週2〜3日実施することが推奨されています。毎日行う必要はなく、筋肉の回復のために休息日を設けることも重要です。福利厚生として提供する場合は、週2〜3回参加できる機会を設計し、個人のペースで取り組める仕組みにするのが効果的です。
Q. オフィスに筋トレ用の器具がなくても実施できる?
A. 実施できます。自重トレーニング(スクワット・腕立て伏せ・プランク・ランジなど)であれば器具は一切不要で、1人あたり2〜3畳程度のスペースがあれば会議室やオフィスの一角で取り組めます。ヨガマットがあればさらに快適ですが、必須ではありません。
Q. 筋トレの福利厚生導入にどのくらいの費用がかかる?
A. 導入方法によって大きく異なります。講師派遣型は1回あたり40,000〜55,000円程度、ジム法人契約は1人あたり月額数千円程度、オンラインプログラムは1人あたり月額数百円〜1,500円程度が目安です。ボディパレットのオンラインプログラムは月額550円(税込)/1名〜で、筋トレを含む多様なレッスンが受け放題です。
Q. 筋トレの導入は健康経営優良法人の認定に役立つ?
A. 健康経営優良法人の認定では、従業員の運動機会の提供と効果測定が評価されます。筋トレプログラムを定期的に実施し、参加率や従業員の健康指標の変化を記録・報告できれば、認定申請時の取り組み実績として活用可能です。2026年3月時点で健康経営優良法人2026には大規模法人部門3,765社、中小規模法人部門23,085社が認定されています。
著者・監修情報
執筆:ボディパレット編集部(健康経営支援の企画・運用に携わるスタッフが執筆)
監修:髙瀬 雅弘(フラクタルワークアウト株式会社 代表取締役 / ボディマネジメントパートナー)
最終更新日:◯◯年◯◯月◯◯日

